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日別アーカイブ: 2025年8月22日

EmbroNEWS~“はじめてのオーダー刺繍”~

皆さんこんにちは!

刺繍店Embro、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~“はじめてのオーダー刺繍”~

 

ロゴや名入れを刺繍で表現すると、立体感・高級感・耐久性がぐっと上がります。この記事ははじめて発注する方向けに、データ入稿→糸色指定→生地別の設計→見積の見方までを、失敗しない“型”でまとめました。


1|入稿データの基本(ここが決まれば半分成功)️

  • 推奨形式:AI/EPS(アウトライン化) or PNG(300dpi以上・透過

  • 最小文字高さ4〜5mmが目安(明朝の細線や極細はNG)

  • 線幅0.8mm以上で安定(点・極細線はサテン→ラン切替を検討)

  • グラデーション:刺繍は色段差で表現(最大糸色6〜8色程度が現実的)

  • 3D/発泡(ウレタン)1文字10〜12mm以上、角を丸めるとキレイに

画像そのままでは刺繍不可。**パンチ(刺繍データ化/DST・DSB等)**が必要です。


2|糸色の決め方(ブランディングの要)

  • 指定方法糸色番号表(例:Madeira, Fujix, Gunold など) or PANTONE近似で指定

  • 見え方:光沢のある糸は明るめに見える傾向→半トーン落として指定すると狙い通りに

  • 金銀糸:雰囲気◎だが糸切れ・縮みが出やすい→面積は控えめに

  • 蛍光色:視認性◎、退色には注意(屋外ヘビー使用はポリエステル糸推奨)


3|生地別“下打ち&接着芯(安定剤)”の鉄則

  • Tシャツ(天竺)薄手→カットアウェイ、広い面はたたき下打ちで波打ち防止

  • スウェット:毛足が長い→水溶性フィルム毛つぶしサテン広すぎ回避

  • ポロ(鹿の子):凹凸が強い→二重下打ち(ジグザグ+たたき)

  • キャップ:成型品→帽体フレームで強固に枠張り、センター割れ防止の走りを追加

  • ナイロン(ウインドブレーカー):針熱で融け注意細い針×密度控えめ

  • タオル・ボア水溶性フィルム必須サテン幅太めで沈みを防ぐ


4|サイズと表現の“現実解”

  • 胸ロゴ70〜100mmが使いやすい

  • 袖・襟8〜12mm程度の文字が限界

  • 背中大判250〜280mm(段差・縮み対策に分割構成が吉)

  • 極小表現は刺繍では無理をせず、ワッペンor織ネームとの併用も手


5|見積の見方(透明性が品質)

  • パンチ代(型代):初回のみ。デザインごとに発生(修正は別途

  • ステッチ数(針数)1,000針あたり◯円が一般的

  • 枠替え・色替え:多いほど手間=単価UP

  • 持込料:持込ボディは検品・在庫補償不可のため追加費ありが普通

  • 最小ロット:小ロットOKでも単価は上がるまとめ発注で最適化


6|入稿→納品までの流れ⏱️

  1. データ入稿(AI/PNG)

  2. 糸色・サイズ・位置指示(テンプレ利用)

  3. **仮縫い写真(打ち合わせ)**

  4. 本縫い量産

  5. 検品・糸始末→袋入れ→納品

納期短縮には**“色数・枠替えを減らす”ד位置指示を図面に書く”**が効きます。⚡


7|洗濯・メンテの案内(同梱OK)

  • 洗濯ネット推奨/裏返し

  • 漂白剤・乾燥機×(変形の原因)

  • アイロンはあて布&低温、刺繍面を押さえず浮かせる


8|よくある質問(FAQ)️

  • Q. 細かい影の再現は?色段差下打ち方向で表現。写真の再現は織ネームやプリント併用を提案。

  • Q. 刺繍は重くなる? → 大判は生地が引っ張られやすい。針数を抑えた設計で軽量化可能。

  • Q. 再注文は安くなる?パンチ代不要。針数・色替えが同じなら単価据え置きが基本。


9|発注テンプレ

デザイン名:
サイズ/位置:
糸色:◯◯(メーカー番号)
ボディ:品番・色・サイズ・枚数
仕上:袋入れ有無・タグ位置
希望納期:
連絡先:


まとめ
データの準備×糸色の目線合わせ×生地ごとの下打ち。この3点を押さえれば、はじめての刺繍も想像以上にキレイに仕上がります。まずは胸ロゴ90mm・色3〜4色から始めましょう。