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皆さんこんにちは!
刺繍店Embro、更新担当の中西です。
さて今回は
~“工場の裏側”~
刺繍の品質は設計(パンチ)×固定(枠張り)×条件(針・糸・速度)×検品の掛け算。ここでは現場の標準手順とKPI運用、さらに3D・チェーン・アップリケなど特殊刺繍の勘所まで公開します。
目次
データ確認:針数・密度・下打ち・トラベルの無駄削減
試縫い:同質生地・同芯材で再現→糸締り・縮み・段差チェック
量産条件表:針番手/糸番手/上糸・下糸テンション/速度(帽子=低速)
枠張りSOP:テンション一定・位置治具・方向統一
本縫い→糸始末→検品→袋入れ
針:9〜14号(細→厚)。**球状(ニット)/先尖(布帛)**を使い分け
糸:
レーヨン=発色・ドレープ◎
ポリエステル=強度・耐塩素◎(ユニフォーム向け)
芯材:カットアウェイ/ティアアウェイ/水溶性フィルムを生地と図案で選択
密度:サテン0.35〜0.45mm、フィル0.4〜0.5目安(縮み・糸切れとトレードオフ)
センター割れ対策に中央から外への縫い順
ブリム干渉を避け低速運転
発泡(3D)はサテン密度UP+余糸熱処理で角を立てる
ダイカット台紙にタックダウン→周囲サテン
熱接着(ヒートシール)で貼るだけ施工もOK
大判は生地縮みが小さく、針数削減=軽さも実現
位置許容:±2mm(胸・袖)/±3mm(背中)
糸始末:浮き糸・渡り糸なし/裏面ループなし
縫い欠け・色違い:即是正
洗濯テスト:30〜40℃×5サイクルで縮み・色落ち確認
金属検針:子ども服・ユニフォームは全数が安心
色替え最適化:同色の案件を束ね縫い
多頭機の活用:並列×段取り替え短縮
治具:襟・袖・ポケット用位置治具で秒で枠張り
段取り表:1日の色順→ボディ順で移動ムダを削減
不良率(位置・糸切れ・縮み・汚れ)
1人当たり枠張り回数/時
機械稼働率・段取り時間
再縫い発生率(原因:パンチ/枠張り/条件)
→ 数字→対策→期限を1枚で可視化
毎日:針板・押さえ・送り歯の糸くず清掃/注油
週次:テンションディスクの清掃・ボビンケースの糸溝確認
月次:タイミング・エンコーダ点検、フレーム調整
トラブル:糸切れ多発→針劣化・テンション過多・角度を疑う
再生ポリエステル糸・コットン糸の選択肢
端材でミニワッペンや補修セットにアップサイクル
紙資材・個包装の見直しでごみゼロ運用へ
3D発泡:立体ロゴ。角丸デザインが映える
チェーンステッチ:ビンテージ感。スウェット・ジャケットに
サガラ(パイル):モコモコの存在感。下打ち強め+低速
メタリック糸:ポイント使いで映える(速度低・テンション緩め)
縮み・波打ち:密度過多→下打ち調整・芯材格上げ
位置ズレ:治具導入&二人体制検品
糸ほつれ:熱カット+裏面接着、洗濯注意書きを同梱
色ブレ:糸色スワッチ承認を初回必須に
☐ データ承認(針数・色数・サイズ)
☐ 生地別:芯材選定/下打ち設計
☐ 枠張りテンション・位置治具
☐ 量産条件(針・糸・速度・テンション)
☐ 試縫い合格(洗濯・摩擦)
☐ 糸始末・検品基準・袋入れ
☐ 納期・段取り表・出荷ラベル
まとめ
標準化(SOP)×数字(KPI)×道具(治具)で、刺繍の品質とスピードは同時に上がります。次の一歩は、量産条件表のテンプレを作り、治具写真付きの枠張りSOPを現場に貼ること。今日から工場はもっと強くなれます。